まず、初年度は劣化診断をTRCに依頼しました。その結果2~3年以内に大規模修繕を行うスキームを管理組合として決めました。頭を痛めたのは修繕委員会と理事会の関係で、どの管理組合でも問題になるようですが委員会と執行責任を問われる理事会とでは共同作業が難しい場合が多くあります。修繕の実施決定後に思い切って修繕委員会を解散し、理事会三役、修繕担当理事、専門委員の6名からなるタスクホースを編成し大規模修繕の執行・推進を行ないました。

設計業務の選定はコンサルタント5社による競争入札を行ない総合判断から診断業務と同じTRCを選定しました。その後の監理業務もTRCに依頼し、結果的に診断・設計・監理とTRCに一貫したコンサルタントを依頼することになりました。

施工業者の選定作業や工事段階の施工管理・完工検査及び追加工事・数量精算等ではTRCの設計・監理担当が遂行の中心になり、管理組合タスクホースと互いの信頼関係から大変スムーズな共同作業が竣工まで続きました。

設計業務は、各棟の要望集約や合意形成で技術的な説得力と丁寧な進め方で、各棟住民とTRCとの信頼関係が構築されました。監理業務にも引き続いて設計担当者が関与して貰うことを条件に監理業務もTRCへ発注しましたが、工事期間中TRC担当者が常駐し、設計担当との連携した充分な技術力ときめ細かな施工・完工監理及び的確な報告文書の提示により管理組合の判断・決断に大変役立ちました。

竣工に当り管理組合理事会がTRCに対し感謝状贈呈を議決したことが、技術的に高い評価であったことを示してます。 

毎月の定例会で工事スケジュール及び追加工事・数量精算の正確な資料を提示いただき、住民及び理事会はTRC担当者に大幅な信頼を寄せることが出来ました。多くの居住者からTRC監理者の丁寧な仕事ぶりを褒める声を聞きました。

次回の大規模修繕に役立てるために、今回の経験で良かった点・反省点を総括記録として残したいと思っています。
管理組合として大規模修繕工事の如く大きな支出を伴う場合、居住者への説明・内容開示責任があり技術面のコンサルタント起用が欠かせません。十数年に一度の大規模修繕工事でその都度新たにコンサルタント選定するのは、素人集団の理事会にとって負担になる作業です。管理組合が常に相談が出来る(掛かり付け医的な)「コンサルタントとの日常的な付き合いが必要なのではないのか」が感想です。
ISO9001・品質マネジメントシステム お客様インタビュー 神奈川建物リサーチ・センター建物の「劣化修繕」用語集