耐震設計は別の事務所で実施済みであったため、東京建物リサーチ・センター(以下TRC)殿には、耐震設計から業務を依頼しました。
耐震設計は、補強の考え方の違いでその費用に大きな差が出るとは聞いていましたが、最終的なTRC殿からの提案方法により、工事費用をかなり抑える形で計画することができたことを感謝しています。
また、工事の段階では引き続いて工事監理を依頼しましたが、途中での細かい工事調整などを施工会社と連携しながらきちんと進めて頂きました。
今回の工事では1階の店舗部分の柱補強が必要だったため、特に店舗の移転に関してどのような手順で工事を行うかが大きな課題でしたが、施工会社によるきちんとした工事計画とTRC担当者の施工に対するアドバイスによって竣工まで計画通りに進めることができました。
施工会社、コンサルタント、そして管理組合がうまく連携できた結果だと思います。 

修繕関連の工事については、長期修繕計画委員会が主体で検討を行い、適宜、理事会で承認をしながら進める方法をとっています。
年度ごとにメンバーが入れ替わる理事会のみでは継続的な検討が難しいため、特に今回のように長期間の課題に対しては、各委員のご負担は大きかったとは思いますが、大変有効に機能して無事に進められたと考えています。
また、合意形成という意味では居住者への十分な告知も大変重要な事柄です。
今回は耐震設計、耐震工事共に助成金を利用したために、それぞれが年度ごとの申請で長く時間がかかりましたが、逆に、それぞれの実施を総会で説明して承認を受けたことや、途中段階での説明会開催など十分に行うことができ、結果として居住者の理解を得ることができたと思います。

耐震補強工事そのものは、1階の柱4本を補強するだけでそれほど大きな工事ではありませんでしたが、その工事を行うためにいろいろな制約があった為、関係者の協力がなければ工事完了までたどり着けなかったと思います。
工事に際しては、各住戸の方の協力はもちろん、工事の際に仮設店舗への何度もの移転を承諾頂いた店舗殿、構造に係る重要な工事を施工頂いた施工会社、また、設計から工事監理まで長期にわたって協力やアドバイスをいただいたTRC殿、更に、当初から何度もの打合せを行ってここまで進めてきた、長期修繕計画委員会及び理事会の方々、本当に有難うございました。そしてお疲れ様でした。
今後も建物を維持管理してゆくうえでいろいろな改修工事が必要になると思いますが、今回の事は管理組合が一体となって行う良い前例になったと考えています。

ISO9001・品質マネジメントシステム お客様インタビュー 神奈川建物リサーチ・センター建物の「劣化修繕」用語集