私達、修繕委員会は定例会を毎月第3土曜日の夜に開きました。参加メンバーは修繕委員6名と理事会から修繕担当理事として2名参加していただきました。定例会の開催案内は予定議題と合わせて前週の土曜日までに参加メンバーに書面でお知らせする様、心がけました。定例会で審議した結果は後日行われる理事会への報告事項と理事会で審議してもらう上程事項に分けて議事録として作成します。議事録は月末までに作成する様、心がけました。そして作成した議事録を翌月の第1週目の日曜日までに理事の方々へ配布し、第2週目の日曜日に行われる定例理事会までの間に下読みしていただく流れを作りました。理事会でいきなり議事録を提出して、その場ですぐ審議してもらうのは無謀ですので。

理事会では会議の最初の30分程度を修繕工事の審議時間としていただき、その場に修繕委員が参加して先に配布した議事録に沿って報告を行い、上程事項について審議していただく流れとしました。

この一連の流れによって定例会開催 →議事録作成 →各理事へ配布 →理事会で報告、審議という形が確立され、様々な修繕工事に関する審議事項が理事会の判断のもとに行われ、その下部組織としての修繕委員会がその実行を行う事ができました。
今回、東京建物リサーチ・センター様にお願いした業務は、

①建物劣化診断業務
②改修設計業務③施工会社選定補助業務
④工事監理業務
⑤長期修繕計画作成業務

の5つです。どの業務も修繕工事をすすめる上で重要な業務ばかりですが、中でも多くの時間と労力を必要とする業務が改修設計と工事監理だと思います。改修設計業務でまず驚いたことは改修設計の元となる素案資料の完成度の高さです。素案資料は縦軸に9つの工事項目、横軸に仕様、単位、数量、単価、総額が記載されており、その工事項目数は約660項目、60ページに渡るものでした。

9つの工事項目は色別に纏められ、さらに仕様については通常仕様とグレードアップ仕様の2つに大別されており、視覚的に非常にわかりやすいのですぐに検討に入る事ができました。そして工事監理業務では監理日報と施工会社への工事指示書が多くの写真を用いて作成されておりこちらも改修設計の素案資料同様、非常にわかりやすく安心して任せることができました。さらに工事施工の監理では目に見えるところのチェックだけにとどまらす、軒裏天井と外壁タイルの境界部の塗装の取り合いなど「見えないところの一手間のこだわり」に徹した監理が随所にみられる業務にプロを感じました。

私達が大規模修繕工事の検討を始めたのは今から4年前の第10期の頃でした。当初、管理会社から修繕工事に関する様々な資料提案が行われる中、当時の理事の方々によって修繕委員の募集が行われました。
当初、修繕委員に立候補したのは私、一人だけでしたが、その後2年の間に2名加わり最後の1年は6名での活動となりました。私達、修繕委員会が当初の活動から心に決めていたテーマがあります。それは「情報の共有と透明化」です。

これを実行するために様々な苦労がありましたが、その中でも一番大変だったのが毎月1回発行する修繕委員会ニュースの作成でした。修繕委員会ニュースはB4版で作成し、88世帯全戸に毎月1回配布しました。
毎月行われる修繕委員会や理事会での報告、審議事項は一部のメンバーのみにしか流れない内向きな情報になりがちです。その情報をできるだけ早く、広く居住者の方にお知らせするために第1号の修繕委員会ニュースの発行を平成24年5月に始め、先日最終号となる第26号の発行を完了しました。

修繕委員会の議事録の作成、理事会への報告、上程を行いながら修繕委員会ニュースも作成するのは毎月非常に重い作業でしたが、号を重ねるうちに居住者の方から「いつも見てるよ」とか「次のニュースに書いて」などの言葉をいただいたことが何より心に残ります。今回、設計監理業務を担っていただいた東京建物リサーチ・センター様のご尽力、施工業者様の丁寧な工事、そして私達居住者が一丸となって取り組んだことによって今回の大規模修繕工事の成功があったと確信しております。
ISO9001・品質マネジメントシステム お客様インタビュー 神奈川建物リサーチ・センター建物の「劣化修繕」用語集