先ず発案については平成13年の理事会においてなされ、理事長が3人交代したが、管理会社担当者様が高い専門性で真摯に実務を担当し一貫性が保たれた。
審議については、理事会・総会で、東京建物リサーチ・センター各部門担当者様を中心とするメンバーから、克明で多頻度に説明を聞き、理事会・総会で審議するという繰り返しであった。周知・広報活動は、総会はもちろんであるが、理事会・総会議事録を全組合員に送付することが柱となり、直前の工事説明会に総力が投入された。
耐震工事の実施については、工事費が補修積立金と東京都の助成の範囲で収まるということと、安全のための当然のこととして反対意見は少なくスムーズに進められた。
今回の当マンション耐震化工事の象徴的な部分は、屋上搭屋・高架水槽の軽量化、8階・11階の18室に及ぶバルコニー袖壁増し壁、2階事務所SRF柱巻8本、1階SRF柱巻2本、鉄筋コンクリート耐震壁5箇所新設、大規模補修工事に繋がる部分であった。

予算について、部分的に少なからず増減があったが全体的に予算内に収まった。これには監理者と施工者の工夫努力があった。工事内容については、毎月月初めの工事定例会議で一部始終が報告され全関係者の共同理解のもとに進められた。
工事定例会議の開始前は、私理事長が東京建物リサーチ・センター監理者、施工者に現場でリアルな説明を聞いてから打ち合わせ会に入ったので大変理解を深めることができ、意見を出すこともできた。また席上、クレームや質問・要望についての対応が常に前向きで明快だった。よいことだけでなく、そうでないこともオープンだったので信頼できた。管理会社様による専門的なチェックや注文もこの場で強く行われた。

1)見積もり合わせは、絞られた数社について理事長・理事立会いの下に開封され、価額だけでなく内容についても厳正かつ精細に検討された。業者の選定について工事経過・成果とあわせ高く評価できる。
2)発案から5年かかったことは、東京都への申請や助成のタイミングからやむを得なかったとはいえ、長期に過ぎたことは否めない。
3)東京建物リサーチ・センターの事前の説明は、頻度が多く極めて懇切丁寧でありすべて納得できるものであった。
4)東京建物リサーチ・センターの監理は、頻度・内容ともに最善のもので、工事者をサポートしつつも依頼者の立場に立ち工夫と努力を惜しまないものであった。特に、工事定例会議での説明と当方の提案受け入れ、事前の現場説明は的確でわかりやすく、工事者‐管理会社‐管理組合の連携一体化に貢献した。
また、耐震工事という専門的なレベルはもちろんのこと、施工者に対するリーダーシップやチェックが強く、施工者とのコミュニケーションも極めて良好であり高く評価できた。
工事監理報告書は専門的であっても、各工事時点の説明が理解できていたので、膨大だが分かりやすく目を通すことができた。
5)耐震工事は建物の耐久化をもたらせる最たるものだか、それがさらに大規模補修工事と掛け合わされて、当マンションの耐久化に繋がることを念願したので、足場のある間に大規模補修のための建物調査診断も実施した。
1階エントランス天井・床・カベ・自動ドア・溝部分の改修、受水槽の取り換えについては、耐震工事と連関しているので助成対象となったことにより、耐震工事が補修工事につながった。エントランス前の溝補修も当工事の予算費から行うことができた。
耐震工事と耐久化補修工事は繋がっており、今後もこの努力を継続する。
6)施工者の作業について
資料が懇切、詳細、美麗で垢抜けしており、口頭でも随時スピーディーにオープンに刻々の進行変化を告げた。工事用掲示板が懇切丁寧で時宜を得ていた。
ビンク・水色チラシのポスティング・洗濯物干し情報、現場事務所電話対応、問い合わせ・要望ポストの毎日確認など行き届いていた。
工事定例会議と工事お問い合わせ帳によって、施工者‐監理者‐管理会社‐管理組合のチームワークを取り事にあたることができた。
写真現像時間待ちなど、事情の許す範囲で進行スケジュールを変化させ個別対応したこと。解体工事を中断し工法を変更した柔軟な対応を評価できる。なお、工事お問い合わせ帳をチェックしても決して入居者の言いなりになるのではなく、冷静に受け止め断ったり説得したりしたこともよかった。協力業者を含めて、従業者の士気、マナーがよかったことも特筆に値する。
ISO9001・品質マネジメントシステム お客様インタビュー 神奈川建物リサーチ・センター建物の「劣化修繕」用語集