管理組合で一括発注か設計監理・工事分離かを検討し、設計事務所が介入する分離方式を採用した。今回設計監理としてのTRCが、工事を円滑に進める原動力となったと感じている。工事を進めるうえで業者からの情報のみで素人が判断するには難しい点が多くあるが、経験豊かな修繕に詳しいTRCが介入することで適確な判断ができたので、迷いが無く工事を進めることができた。
当然、新築工事時点での問題を引きずる内容もあるが、起きている現象を新築時点の状況などを想定しながら、尚且つ今後のことも予想し、総括的に対応してくれていた。
設計の段階で詳細な現場調査を行い作成した予算は、実行段階とで開きは少なく、予算の点からも満足できるものであった。

都心型マンションは、敷地の空きがなく資材置き場がとれない・近隣と接しているなど不利な条件が多い。当管理組合では資材置き場などとして、来客用駐車スペース、通路、居住者用駐車場などを開放するなど協力した、多少の不便は我慢して居住者も協力することで、工事が円滑に進められたと思っている。
また、住民と交錯する1階回りの作業員の動線を事前に確認しておく必要がある、作業員出退勤・資材搬入・トイレ・タバコなど細かな点に配慮が求められる。工事中のガードマンは、作業員以上に住民との接触が多く、気配りが求められる。
修繕工事を進めるうえでバルコニーの不要物処理で驚くほどの量が出た、10数年に1回共有部であり避難通路である各戸のバルコニーがきれいになることにつながる。

調査・設計・予算作成・業者選定・着工し竣工引渡と、当初からの計画と実行内容に差異が少なく、無事故で工事を終えることができた。このことは、TRCが設計段階から長期に亘り誠実に設計・工事監理を行ってきた結果だと委員の反省会などで話題となった。
修繕工事は待ったなしの判断が求められる、居住者にとっては生活している目の前で工事が進行するため苦情が出やすいが、TRCが積極的に介入し工事業者と管理組合と協議して、事前に連絡し説明するなどして、迅速に対応することができた。
新築時から懸案だった問題も原因を究明し、修繕の提案があり解決できた。やはり修繕の経験が豊富でないと判断できない課題であり、真摯に取り組んでくれた結果だと思う。
今回の修繕工事は、主に外壁とバルコニーのシールなど防水関係と塗装部の劣化対策が中心の工事で、引き渡しに当たり、詳細な工事記録及び検査記録が提出された、今後管理組合として建物管理に貴重な資料となると思われます。大切に保管します。
ISO9001・品質マネジメントシステム お客様インタビュー 神奈川建物リサーチ・センター建物の「劣化修繕」用語集