当マンションでは管理組合⇒理事会⇒修繕委員会(後、大規模修繕委員会)の体制で臨み、修繕委員会で検討した事項の内、重要度に応じ理事会⇒管理組合総会に議事を諮りました。

初めての大規模修繕および委員会の中にしかるべき資格を保有している委員もいないこと、設計から施工まで一貫して運営してもらうことが最善だと判断し設計監理方式にて実施することに決定しました。この状況の中で設計監理会社として公募・プレゼンヒアリングを実施し㈱東京建物リサーチ・センターを選定しました。一番重要視した点は、当マンションでは毎年定時総会において向こう30年間を見通した【長期修繕計画 建築関係 修繕項目明細】が居住者に提示されており、この計画内に収めることでありました。 

この修繕工事の中で特に注力した点は

 1)東日本大震災による被災箇所の持ち越し部分の復旧
 2)立地条件が東京湾に近く潮風の影響で発錆が酷く、将来に亘った発錆対策の実施
 3)マンションが3棟から構成されており、各棟の構造、潮風の当たり具合に大差があり各々に合わせた対応が必要

であることが当初からの課題としてありました。そのため施工業者の選定には沿岸地域での施工実績の有無を一番重要視しました。
費用の予算化に当っては、実数精算アイテムを数多く置きましたが、実数精算にて未使用予算が発生し、監理・施工会社からの進言、修繕委員会からの要望を理事会に上程・承認、当初予算に縛られ施工範囲外とした数多くのアイテムを予算内にて実施することが出来非常に満足しております。従い、結果として施工会社へのシビアな指摘・改善指示等を含め設計監理方式は成功であったと判断しています。

設計監理会社および施工会社の尽力により無事初期の計画を終了することが出来、ホットしている所です。今後実施して頂いた中で特に潮風対策の効果が発揮されることを期待すること大です。
この大規模修繕を実施するに当たり【マンションの資産価値の維持、向上】という目的が掲げられていますが、委員長として2ヶ年携わってきた率直な感想として、確かに予算を使っての工事で外観上の価値は向上したと思います。しかしながら、本来のマンションの価値というものは、修繕委員会に参加、あるいは理事会の総会に出席して意見を述べる、催事への参加、廃棄物処理ルールの順守、施工者などからの各種要望への協力を厭わない、という居住者の行為から高められるものだと感じた次第です。
最後になりましたが来年から始まる定期検査も含め今後とも宜しくお願いいたします。   
ISO9001・品質マネジメントシステム お客様インタビュー 神奈川建物リサーチ・センター建物の「劣化修繕」用語集