●総括
潮路東ハイツは7棟(高層棟3棟、低層棟4棟)527世帯の大規模団地であると思います。
当ハイツは築30年以上経過し、大規模修繕の必要性から平成23年6月「長期修繕計画」を作成しました。第1次(躯体改修工事)第2次(壁面塗装工事)を完了し、今回は、給排水管等の大規模改修工事を実施する事となりました。
工事開始に当たり以下について、十分な検討及び準備が必要であります。
●信頼のおけるコンサル業者の選定
工事開始にあたり、最初に、信頼のおけるコンサル業者の選定が必要と考え、5社を候補として、信頼性、技術資格取得者数、実績、資本金等厳選の結果㈱東京建物リサーチ・センター(㈱TRC)に決定いたしました。
㈱TRCは期待に違わず、優秀な技術者を以て、当ハイツ建築当初の不完全な設計図の下で、念入りな目視確認、共用部、専有部内配管を内視鏡等を用い詳細に調査し正確度の高い見事な設計図を作成されました。また、設計図に基づき詳細、綿密な工事費用(予定価格)を算定していただきました。
施工業者公募については、7社の応募があり、見積金額、ヒアリングを経て施工業者を決定いたしました。
工事着工後は、㈱TRCとの工事監理業務委託により、細部に亘り監理いただき改修工事は滞りなく竣工いたしました。
●改修工事資金面について
区分所有法により、管理組合は建物等の維持管理のため規定に定めた修繕積立金を徴収いたします。改修工事には原則として、積立金額の範囲内での施工が望まれます。緊急事態支出のため相当額は留保する必要があります。どうしても工事実施に資金不足が生じる場合であっても、手持ち資金全額を投じるのではなく、一時借入金で対処し、手元には留保金を残置する必要があります。
●管理組合員(住民)の改修工事に対する理解と協力が必要
今回の給排水管等改修工事には、住民の理解、協力が絶対必要不可欠でありました。特に専有部立入り工事の場合騒音、給排水禁止等、不便、迷惑をかけます。工事着工前に十分な説明が必要です。その点㈱TRC、施工会社等関係者は、各号棟毎に工事説明会を実施し、懇切丁寧な説明、質疑応答を行い、住民に理解を得る事が出来たと思います。
●住民による工事対策委員会の設立
今回の給排水管等改修工事の実施にあたり、専門知識の乏しい管理組合理事だけでは、この大工事に対応不可能との認識から、東ハイツ内特有の諸状況に対応するため東ハイツ内に居住し、且つ、ある程度の専門知識を有する方々の助言が必至であると考え、「東ハイツ給排水管等工事対策委員会」を立ち上げました。㈱TRC、施工業者と合計21回の会合を開催し、住民の苦情、工事の進捗状況、工法等について質問、助言等を行い、工事の円滑な進行に寄与いただきました。
貴社は(㈱TRC)、期待通りの成果を挙げられました。
給排水管等改修工事の設計図書作成においては、建築当初の不完全な設計図の下に、ご苦労されたと思いますが、完成した設計図は詳細に亘り見事な出来栄えでした。
居住者全戸に対し設計説明会を実施され、詳細に亘る質疑応答により住民の理解を得る事が出来ました。また、工事着工後の工事監理業務等、その業務は多岐に亘りました。
東ハイツ給排水管等工事対策委員会(管理組合理事7名を含む、総勢15名)と㈱TRCとの調整会議、工事着工前は8回実施、工事範囲、工法、予算等を主な議題として調整いたしました。また、工事着工後は工事施工会社を加え、3者会合を延べ13回実施し、住民の苦情、工事の進捗状況、工事中における各種トラブル等の解決に活発な意見交換を行い対処してきました。この様に工事計画の段階から、㈱TRC社とは常に連携を保ち工事を進めてきました。
この工事が無事に竣工した事は、偏に㈱TRC関係者皆様のお陰であると思っております。
潮路東ハイツ給排水管等改修工事は、平成27年3月16日着工し、同年12月25日の竣工引き渡し式を以て滞りなく終了いたしました。
第1次大規模工事(躯体改修工事)第2次大規模工事(壁面塗装工事)を経て、今回、第3次大規模工事(給排水管等改修工事)を終了しました。今回の給排水管改修工事を実施したことにより、共用部給排水管は30~40年程度の耐用が期待できます。管理組合理事長として喜びも一入です。
この給排水管等改修工事については、当初計画の段階から㈱TRCの的確な設計図書及び工事に対する助言、着工後における工事監理業務等、この大工事を成功裡に終了した一因であると思います。
工事が無事終了し、工事の仮設物が撤去され、工事の喧騒が消えた今、一抹の寂しさと、達成、安堵感で一杯です。
改修工事が無事終了したことに対し、㈱TRC関係者の皆様に衷心より感謝の意を表したいと思います。有り難うございました。