大規模集合住宅では、さまざまな住民が居住しており、全住民の満足を得られる修繕を実施する事は非常に難しいのが現実です。今回住民の代表として大規模修繕に関わり、施工会社と何度も打合せ、確認を実施し無事完了する事が出来ました。実施していく中での課題とアドバイスとしては

1.管理組合メンバーは、建築修繕に関しては全くの素人であり業者と住民の要望の間で専門的な調整・対応が出来なく苦慮しました。第三者専門アドバイザー確保、専門委員会の充実が重要です。修繕に合わせお金をかけても、専門家は確保すべきです。建物が完成され20年超が過ぎますが、目には分からない様々な部分で不具合もある為、専門家の意見を取り入れ、着手する事が大切だと思われます。                                                        

2.修繕は改善でなくあくまでも老朽化部分を繕いなおすことですが、高額な費用をかけて、単なる繕いなおしでは面白味が有りません。住民の理解と多少の投資が必要ですが、斬新な配色やタイル化、新たな機能、設備を導入するなど何かアイデア:遊びを入れることも必要です。

3.管理組合は住民の代表ですが業者と打合せ・交流をする中で少しづつ業者寄りに成りがちで、住民にとっては業者側と見たり、工事管理責任者と見る面もあります。何よりも中立、謙虚、対話を心掛け住民の代表であることを意識し活動することが必要です。又、管理組合として住民の声に耳を傾けることは非常に大事な事ですが、意見を聞きすぎると工事のスケジュールに影響を及ぼす可能性もあり、1年任期の理事の役割としても組織を尊重し、更には組織の決定事項に対する絶対の信頼と、施工者・監理者への信用と期待を最大に持ちつつ、工事を進め易い環境に維持していくことも必要です。 
住民の理解を得るため、工事の進捗状況は日々確認をし、必要な「お知らせ」や「お願い」は、タイムリーに呼びかけて行くことも重要と考えます。

4.大規模修繕では建屋の修復、塗替えが中心となりますが、修繕計画づくりの中で建屋以外に樹木、インフラ、照明、セキュリティを意識することも必要です。

正直なところ、多くの居住者は建物の管理、建築工事関係については素人であり専門性を有していない為、会議以外での活動は十分把握していない為技術的評価は分かりませんが、結果的に、今回の大規模修繕が大きな問題やトラブルもなく、ほぼ計画通りの工程で進捗し満足できる修繕が完了できたことは、TRCの大きな成果だと思い感謝しています。

特に、監理者は7ヵ月に及ぶ工事期間中、現場によく足を運び、連日見廻わり、きめ細かなチェック、不具合箇所への施工業者への適切な指示、組合へ工事の状況を適宜確認し的確に報告が行われ、プロフェショナルな仕事ぶりは大変評価出来ました。長期修繕委員会での報告や意見についても、非常に安心感が持てるものでした。
やはり経年劣化していく建物のためには、適確な判断基準を持つ優秀な監理者を選ぶことも、最も重要です。

大きなトラブルもなく無事満足できるレベルで完了し安堵しておりますが、7か月の長期にわたる工事中は、騒音と足場ネットのうっとうしさ、溶剤の強い臭気、ベランダ使用制限、団地内使用制限区域など不便・不快なことや、危険を伴うことが多々ありました。当団地は居住者が多く要望も多様で、2回目の大規模修繕ということで費用面でも過不足が出るのも、不安材料の大きな要因であり、役員としては大規模修繕工事の様な大きな行事が有るときは、お互いに満足感というより、どうしても負担を感じてしまうもので色々と大変でしたが、実際に工事完了した時の晴れ晴れとした気分とリノベーションした建物への満足感が一致して、最高の嬉しさも感じました。12年毎のリノベーションはマンションの環境の保全と共有財産の維持管理上、不可欠なものと実感できました。特に24年目を迎えこれからは、建屋以外にも、給排水管、各設備、道路等お金のかかる内容が目白押しです。マンション住民も高齢化していくことから、地域全体での各施設や病院等の連携も含めた対応が望まれます。今回のリノベーションにかかわった役員の方々、関係者の方々に心から感謝しております。

コンサルタントとしてTRCには、今後も当団地に良きアドバイスを頂きたくお願い申し上げます。   

ISO9001・品質マネジメントシステム お客様インタビュー 大阪建物リサーチ・センター 神奈川建物リサーチ・センター建物の「劣化修繕」用語集