大規模修繕工事の実施にあたり、先ずはコンサルタント会社の選定からはじめました。業界新聞の公募を経て数回のヒアリングを行い、甲乙つけがたい中、最終的に僅差でTRCに決定しました。
決定してからの動きは調査・設計・居住者説明会等タイムリーに対応していただき、更に工事監理においては選任の建築士が細かなところまで目を配り、定例会議においてもわかり易い説明と第三者として妥協することなく的確な意見を出して頂きました。
私自身この業界に携わっていた経緯もあり、関心をもって見させてもらいました。
そこまで考えているのかというところもあり、安心して任せられ、一連のコンサルタントとして技術面の評価は大きいと思います。

当団地は竣工以来48年目を迎え、15年前に耐震補強を含めた大規模修繕工事を実施しましたが、その時は北面(50角タイル)の修繕工事は見合わせていました。
定期検査において常にタイルの剥落検査を指摘されている事や、近年各所でコンクリートの爆裂による破片の落下が見られること、更に最上階や妻壁面からの漏水の補修がピンポイントでは済まなくなったこともあり、機会があれば建物の危機を訴えてきました。
大規模修繕工事は数年前から希望の声はあったようですが、工事金額が大きく、手順や準備に時間がかかり面倒な事が多く、後回しにされた感があります。
そのような状況下で修繕委員会を立ち上げて、工事内容を議案書や組合広報等で提案し、動き始めてから数か月でコンサルタント会社の選定まで行いました。決して拙速ではなく守るべき手順を確認しながら委員の協力と住民の気運の高まりで比較的短期間で実施できたと考えます。

長期間に及ぶ大規模修繕工事ではありましたが、工事の進捗に合わせた検査や打合せは苦にはなりませんでした。惜しむらくは、大多数が居住する住民の合意形成として、どうしても一部の住民の方の中に工事中の騒音や修繕工事に対して根本的に異を唱える発言などがあった事は残念であったと思います。
反省点として今回の工事はコスト面で無駄をなくすことを主眼で行った結果、一部の工事を管理組合直接の契約として、それによりコンサルタント業務が外れる事を認識していなかった事です。

ISO9001・品質マネジメントシステム お客様インタビュー 神奈川建物リサーチ・センター建物の「劣化修繕」用語集