修繕委員会が自ら実施した詳細調査により、特異な立地条件の耐候環境のもと、風害、塩害により外構を中心に甚大な影響が発生していることが判明、隣接するマンション群と比較しても特異な劣化状況であり、通常の設計コンサルタントでは改修設計の対応が困難であると考えておりました。

各部位の調査結果と仕様検討結果を提案前提資料とし、工事部位別のRFPを作成、立地条件にあわせ現行仕様見直し、土木工事を伴う現行設備の変更、不要な設備の撤去の検討に応えていただけるコンサルタントを新聞公募、ありがちな大規模修繕工事の設計提案が多い中で、RFPに対して的確な回答と提案をしていただいたのがTRC様でした。

設計過程では、現況確認を繰り返し実施、環境に適した様々な工法を検討、細やかな設計を実施していただいた結果、施工時に大幅な設計変更が発生することがありませんでした。
工事監理においても試験施工を行った結果を踏まえて現場での工事修正に目配りしていただいた結果、極めて上質な竣工結果が得られました。コンサルタントとしての技術は最高水準であったと考えております。  

修繕委員会の設置にあたっては、機能と役割、報告方式等について具体的に明文の規則を定め、管理組合総会にて議案承認を経たうえで活動を行う方式をとりました。

管理組合に対しては、設計から竣工までのスケジュールとマイルストーンをあらかじめ決めて、規則に従い文書での管理組合への報告(25回)と検討事項の提示を実施、決定依頼に際しては、答申書(設計コンサルタント選定/工事実施範囲及び工法選定/施工会社選定)を作成して選択肢を提示して決定を依頼する方式を採用しました。この方式により、管理組合の決定をうけて臨時総会等を含めスムーズに設計から工事竣工まで進めることができました。

居住者に対しては、修繕委員会広報誌(21回)を発行し、居住者の視点で、設計開始から竣工まで様々な課題や状況について豊富な写真を用いて報告と工事への協力の要請を実施しました。外構設備を中心に仕様変更を実施した結果を含め、おおむね今回の工事結果については良い評価を得られています。  

今回の大規模修繕工事について、大変よかったと考えております。

工期については、建物本体については仮設足場設置後の現場確認結果を踏まえて数多くの追加工事を実施しながらも予定通り竣工、外構工事においては、建築確認申請手続きにおいて、想定外の対応を次々と余儀なくされた結果、着工が40日程度遅れる事態が発生したものの、粘り強くかつ柔軟に状況に対応して工期調整をしていただいた結果、3週間程度の工期延長でおさめることができました。

改修設計については建物全体について実施し、状態を確認して実施の可否判断、部位全体、部分について個別に判断して工事を見送った部分もありますが、全体の設計をしたことで、今後の長期修繕計画にきちんと織り込むことができると思います。

最後に、居住者からは「綺麗になってよかった、利便性が高くなった、資産価値が上がってよかった」という声が多くよせられました。ありがとうございました。  

ISO9001・品質マネジメントシステム お客様インタビュー 神奈川建物リサーチ・センター建物の「劣化修繕」用語集