当組合の設備は、国交省長期修繕計画作成ガイドラインに記載されている耐用年数を迎え或いは過ぎていることから、ふよう会(歴代管理組合理事長の有志で構成する常設の委員会)で勉強会を行い、工事実施に際しては設計・管理会社を介在させることの必要性と重要性をメンバーは共有していました。そこで競争入札で選択することとし応募会社のヒアリングを行い、次の諸点を考慮しました。
①当ハイツの設備の現況について正確な把握
②更新設備個々の長短についての分かりやすい説明
③建物の長期的展望とそれと整合性を持った設備の推奨
④神奈川に近接する関東地区での実績
⑤管理組合総会及び住民説明会への工程の明示及び工事業者選定を含む適時適切なアドバイス
⑥以上の諸点を設計、監理監督できるであろう技術陣の陣容
⑦希望する期間内での工事竣工
⑧コンサルタント料金
⑨ヒアリングでの説明者の印象等々。
その結果、TRC社が一番的確であると判断しました。
工事期間はTRCの計画指針に沿ったスケジュール感で工事業者の選択ができた。工事自体の成否は業者の責任感と使命感で竣工度合いに差異が生じるであろうし、特に居住者と工事業者間の心理的な印象の善し悪しでもやはり違いがでてきます。期間は5ヵ月間で特に専有部工事が6日を要するもので、各戸の定性的な日常生活と突発時の居住者への柔軟な対応が設備工事と同等あるいはそれ以上に懸念される要素でありました。
TRCは期間中週に2日常駐し、管理組合理事長、委員会、工事業者、TRCの4者による週1度の定例会議及びそれ以外の臨時会議に常時出席され、また専有部に立ち入り計画通りの工事履行及び当初計画から変更すべき点についても定例会議で技術的指導や価格管理に的確な指導を戴きました。
工事自体を設計監理会社と工事会社に大半を任せてしまう方法もあるだろうが、当ハイツでは期間中日々何が行われそして何を行おうとしているのかについて把握し、その間居住者からのクレームにも適切に対処すべきと考え4者会議を頻繁に開催しました。
事後の感触では、これを行ったことにより、工事業者、TRC及び委員間相互の信頼関係を築くことができ結果的に円滑な工事推進ができたと思っています。
工事自体は計画通りに計画に沿って終了いたしました。
TRCは当初から、工事業者選択のための事務的作業はするが特定業者の推奨は社の方針で行わないと言明していました。工事の技術的なことは今後の推移を待ってみなければ正直わかりません。しかしながら今振り返りますと、工事それ自体はあくまでも全体の一部であり、工事に関する我々素人への技術的説明及び設計、住民説明会での的確な対応、総会までの管理組合活動への工程の提示と異論のなかった総会承認、工事業者選定への周辺資料の整備等々、これらのどれかが欠けても無事完了できなかったであろうことからみてもTRCの選択は間違っていなかったと思います。
更に、管理組合女性役員の多くから工事そのものへの称賛の声が多くあったことが一連の業務に対する評価のなによりの証左であると思っております。